洗濯表示(絵表示)の見方・一覧表:大切な洋服を縮みや型崩れから守る5大マークの解説
お気に入りの上質な洋服を自宅でお手入れする際、最も気になるのが「縮み」や「型崩れ」ではないでしょうか。衣類を美しく長持ちさせるための鍵は、洋服の内側にある「洗濯表示(ケアラベル)」を正しく理解することにあります。現在の洗濯表示は、国際規格(ISO)に合わせた世界共通のシンボルマークが採用されており、大きく5つの基本グループに分類されています:家庭洗濯(たらい)、漂白(三角)、乾燥(四角)、アイロン(アイロン)、商業クリーニング(円)。マークに描かれた「線の数(処理の強さ)」や「点の数・数字(温度)」といったシンプルなルールさえ覚えれば、デリケートな素材も失敗なく安全にお手入れできるようになります。
一目でわかる5つの基本マーク:洗濯表示の「基本ルール」
日本で流通している衣類の洗濯表示は、2016年12月より国際規格(ISO 3758)に準拠したJIS規格(JIS L 0001)へと移行しました。表示される順番は常に一定で、左から「洗濯(家庭洗濯)」→「漂白」→「乾燥」→「アイロン」→「商業クリーニング」の順に並んでいます。これらは衣類ケアの基本的なステップを示しています。

これらの記号を読み解くポイントは、「横線」と「点(ドット)または数字」にあります:
- 横線(処理の弱さ):記号の下に描かれた横線は、洗濯機などの「作用の弱さ(デリケートさ)」を表します。線がないものは通常の洗濯、1本線は「弱い処理」、2本線は「非常に弱い処理」を意味し、シルクやレース、細いウールなどのデリケートな素材に適用されます。
- 点・数字(温度の制限):たらいやアイロンのマーク内にある数字(30、40など)や点は、許容される温度の上限を示します。アイロンのマークでは、点1つが低温(110℃まで)、点2つが中温(150℃まで)、点3つが高温(200℃まで)を意味します。
| 基本マーク | カテゴリ | よくある失敗と取り扱いのポイント |
|---|---|---|
| たらいの形 | 家庭洗濯 (Washing) | たらいに「手」が入っている場合は手洗い(液温40℃限度)を意味します。バツ(×)がついている場合は、家庭での水洗いはできません。 |
| 三角形 | 漂白 (Bleaching) | 白い三角は塩素系・酸素系どちらの漂白剤も使用可能。斜線が入った三角は酸素系漂白剤のみ使用可能(塩素系は不可)。バツ(×)がついている場合は漂白処理ができません。 |
| 正方形 | 乾燥 (Drying) | タンブル乾燥(衣類乾燥機)と自然乾燥(吊り干し、平干し、日陰干しなど)に分かれており、縮みを防ぐための最重要ポイントです。 |
| アイロンの形 | アイロン (Ironing) | 点の数はアイロンの底面温度の上限を示します。バツ(×)がついている場合はアイロン仕上げができません。 |
| 円形 | 商業クリーニング (Professional Care) | クリーニング店での専門的なドライクリーニングやウェットクリーニングを指します。円の中のアルファベット(P、F、Wなど)はプロが使用する溶剤の指示です。 |

乾燥とアイロンの記号:縮みや「テカリ」のトラブルを防ぐために
衣類のダメージは、洗濯時だけでなく、その後の「乾燥」や「アイロン」の工程で発生することが少なくありません。これらは熱に非常に敏感なため、誤った方法で行うと、繊維が急激に縮んだり、熱で溶けてしまったりする原因になります。
1. タンブル乾燥と自然乾燥のルール
正方形の中に円が描かれているマークは、タンブル乾燥(衣類乾燥機)を指します。円の中の点1つは低温(排気温度上限60℃)、点2つは標準(排気温度上限80℃)での乾燥が可能です。バツ(×)がついている場合は乾燥機の使用は厳禁です。高熱によって繊維が縮み、元のサイズに戻らなくなる恐れがあります。
正方形の中に円がないマークは、自然乾燥の方法を示しています:
- 横線1本(平干し Flat Dry):ニットやウール製品、重みのあるコットン衣類に不可欠な干し方です。水分を含んだ衣類は重くなるため、ハンガーに吊るすと自重で伸びて型崩れし、肩の部分にハンガーの跡がついてしまいます。平干しネットなどの上に平らに広げて干すことで、美しいシルエットをキープできます。
- 縦線3本(ぬれ吊り干し Drip Dry):脱水せず、濡れたまま吊るして干す方法です。シワを伸ばし、水の重みで自然にストンと落としたいデリケートな衣類に適しています。
- 左上の斜線2本(日陰干し):直射日光を避け、日陰で干すことを意味します。色褪せしやすい鮮やかなカラーの衣類や、紫外線に弱いシルクなどのデリケート素材に適用されます。
2. アイロンの温度と「テカリ」を防ぐテクニック
アイロンマークの中の点は、素材が耐えられる温度の上限を表しています。点1つは低温(110℃まで・スチームなし)、合成繊維(ナイロンなど)に適しています。点2つは中温(150℃まで)、ウールやシルクに適しています。点3つは高温(200℃まで)、コットンや麻(リネン)に適しています。
デリケートな素材や濃色の衣類をアイロンがけする際は、表示が中温であっても「当て布」を使用するか、衣類を裏返してアイロンをかけることをおすすめします。これにより、熱で繊維の表面が潰れて光ってしまう「テカリ(アタリ)」現象を防ぐことができます。
よくある上質素材の洗濯表示と実戦ケア
大人のカジュアルスタイルや洗練されたワークウェア(お仕事服)を選ぶ際、素材の持つ質感はとても重要です。ここでは、よく使われる上質素材の洗濯表示の特徴とお手入れのコツをご紹介します:
キュプラ(Cupro)やシルク素材
滑らかなドレープ感と美しい光沢が魅力のキュプラやシルクですが、水に濡れると繊維が非常にデリケートになります。洗濯表示には「手洗い」や「ドライクリーニング」、そして「タンブル乾燥禁止(×)」が並ぶのが一般的です。自宅で縮みや水シミを防ぎながら安全にケアする方法は、私たちの「キュプラ(Cupro)の正しい洗濯・お手入れ方法」で詳しく解説しています。
ポリエステルや混紡素材
ポリエステルなどの化学繊維はシワになりにくく丈夫ですが、洗濯表示に「弱い処理(横線1本)」がある場合は、摩擦に注意が必要です。洗濯機に入れる際は、必ず目の細かい洗濯ネットに入れ、他の衣類(特にデニムなどの硬い素材)との摩擦を減らしましょう。ポリエステル特有の毛玉トラブルを未然に防ぐには、「ポリエステル衣類の毛玉取り・予防お手入れガイド」が役立ちます。
ウールやニット製品
ウール製品のケアラベルで最も多いのが、「漂白禁止(三角にバツ)」と「平干し」のマークです。強力な塩素系漂白剤はウールの天然タンパク質繊維を破壊し、ゴワつきや黄ばみの原因になります。おしゃれ着用洗剤(中性洗剤)を使い、ぬるま湯で優しく押し洗いした後に平干しすることが、柔らかな風合いを長く保つ秘訣です。
Cloris流・お気に入りの1着を長く愛用するための3ステップ仕分け法
Cloris(クロリス)では、美しいシルエットと心地よい素材にこだわった洋服を選ぶことは、自分を大切にする素敵な投資だと考えています。そして、丁寧なお手入れこそが、そのお気に入りの1着を長く美しく着続けるための最良の方法です。新しい洋服をクローゼットに迎える際は、洗濯表示を確認するだけでなく、仕立てや縫製の質をチェックすることも大切です。詳しくは「試着室でできる5ステップ衣類品質チェックガイド」をご覧ください。
日々の洗濯をスムーズに、かつ衣類を傷めずに行うための「3ステップ仕分け法」をご紹介します:
- ステップ1:着用・カット前の「スマホ撮影保存」:デリケートな衣類の洗濯タグは、長くて肌に当たるとチクチクすることがあります。着用前にカットする場合は、必ず事前にスマホでタグの表裏(素材構成と洗濯表示マーク)を写真に撮り、専用のアルバムに保存しておきましょう。こうすれば、タグを切り取った後でも、いつでも正しいお手入れ方法を確認できます。
- ステップ2:「洗濯温度」と「色合い」での仕分け:すべての衣類を一度に洗濯機に放り込むのは避けましょう。低温で優しい洗濯(横線マークあり)が必要なデリケートな衣類と、通常の洗濯物を分けます。また、色移りを防ぐために濃い色と淡い色の衣類を分け、色物には「色物衣類の汗染み落とし・色褪せ防止ガイド」を参考に、繊維の美しさを守る中性洗剤を使用するのがおすすめです。
- ステップ3:洗濯ネットと平干しネットの活用:洗濯ネットはデリケートな衣類を守る最大の味方です。ボタンやファスナーのある衣類、型崩れしやすいニットは、ネットの大きさに合わせて畳んで入れることで、洗濯槽内での引っかかりや伸びを防ぎ、衣類の寿命を大幅に延ばすことができます。
洗濯表示に「ドライクリーニングのみ(Dry Clean Only)」とある場合、自宅で手洗いは絶対にできませんか?
必ずしもそうとは限りません。「ドライクリーニングのみ」という表示は、ブランドが洗濯トラブルを避けるために安全策として記載している場合もあります。シルク、カシミヤ、複雑なビーズ刺繍や立体的な仕立ての衣類は、表示通りクリーニング店に出すのが賢明です。しかし、シンプルなウールニットやポリエステル混紡であれば、おしゃれ着用の中性洗剤を使い、冷水で優しく押し洗いし、平干しすることで自宅ケアが可能な場合もあります。ただし、「家庭での洗濯禁止(たらいにバツ)」マークがある場合は、水洗いを避けプロに任せるのが安全です。
洗濯表示にある「F」や「P」の丸いマークはどういう意味ですか?
円の中に書かれたアルファベットは、クリーニング店がドライクリーニングを行う際の溶剤の指示です。「P」はパークロロエチレン及びフッ素系溶剤、または石油系溶剤によるドライクリーニングができることを示し、「F」は石油系溶剤による弱いドライクリーニングのみができることを示しています(デリケートな素材や特殊コーティングのある衣類によく見られます)。ご家庭で洗濯する際は、これらのマークがあれば「クリーニング店にお任せするサイン」と捉えていただければ問題ありません。
新しく買った服の洗濯タグが長くてチクチクするので切りたいのですが、切った後の管理はどうすればいいですか?
切っても問題ありませんが、切る前に必ず「スマホで写真を撮る」習慣をつけましょう。衣類全体のデザインがわかる写真、ブランドロゴ、そして洗濯タグの表裏(素材と洗濯表示)を撮影し、スマホのアルバムに「洋服のお手入れ」などの名前をつけてまとめておくと便利です。タグを切る際は、縫い目を傷つけないよう、また角が残って肌に当たらないよう、ハサミで丁寧にカットしてください。